2013年3月13日水曜日

料理が出きる男


料理が出来る男にあこがれる。

本気ですごいとおもう。

ゲーム内で料理をする度に思い出す。

自分が料理を封印した原因となる出来事を。





はるか昔


当時の彼女が風邪で寝込み、食欲無し・薬も飲めない状態だったので、何か栄養をとらせなければと悩んだ。

風邪には「ネギを首に巻くと良い」、という話と「玉子酒が良い」という話を思い出す。

ネギはあったものの結構硬くてうまく巻けそうも無いので「玉子酒」を選択。
今思えばネギを選んでも残酷だった。


中くらいの鍋に日本酒をたっぷりいれる。
生卵を2個入れる。
混ざったカラを箸で拾う。
箸でカシャカシャしてみる。

白身と黄身の散らばり具合がまだらな感じで美しくない。

生クリームを作るときに使われていた針金が大量に交差した器具を見つける。

カシャカシャしてみる。


よく混ざる。なんか楽しい。


カシャカシャを続ける。

カシャカシャを続ける。

楽しくて5分位やってたと思う。


見た目がすごく綺麗なカスタードクリーム色になる。




暖めないといけない事を思い出し火をつける。

カシャカシャを続ける。

あまり熱くすると卵が固まってしまうのでは?と気付き火を止める。


ガラスのコップに注ぐ。

まさに人肌温度、我ながら完璧なタイミング。

見た目はどうみても子供の頃に飲んだミルクセーキ。

(色も泡立ち具合も本当にこんな感じだった)

間違い無くうまいはず。

確信してるので味見なんてしない。




玉子酒を片手に彼女を起こす。

「玉子酒を作ったから飲め」と差し出す。


かなり驚きつつも、うれしそうな顔をして玉子酒を口に運ぶ。

満足げにそれを見つめる。


彼女の表情が一瞬歪む、が、すぐに表情を戻して飲み続ける。




今思えば彼女はがんばった。2/3を飲んだ。 と言うよりも食べていた。

口を動かしているのが不思議だったのだけど「ありがとう、もう・・いいかな;」とコップを返す。


返されたコップを見て、中の液体に変化が起きていることに気付く。



液体が揺れない。




不思議そうにコップを見る俺に「どうやって作ってくれたの?」と聞いてくる。

調理方法を語る。

苦しそうに笑っている。


お願いだからそれは飲まないで?と言われるも、悔しいので飲んでみる。

けれど傾けても何もおきない。液体は全て彼女の胃袋の中に納まったのだろう。

コップをゆさぶり、固形物を口に運ぶ。




彼女の優しさを知る。





それ以来、俺は料理をする事を封印した。


2 件のコメント:

  1. ご主人様が料理をしたら、ペットの出来ることが減るので料理はしちゃだめです。(゚うェ´゚)゚。

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  2. 優しいシバさんの元には優しい彼女さんがくるんだよ~w byり。

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